野ブタ。をプロデュース 第1話

※2005年に別のブログで書いたものを再掲しています。

主役のジャニーズ2人に興味がなかったのでスルーするつもりだったのに、脚本が「すいか」木皿泉だと知って俄然興味がわいてしまった。

案の定ゆるーい滑り出しだったけど、亀梨和也が意外と良かったし、脇の大人たちはなかなか個性的な人ばかりだし、景色の見せ方も上手いし(後述)で、結構おもしろかった。たぶん次週以降もこのまま見続けると思う。

今回は第1話ということもあってか、信子(野ブタ。)をプロデュースすることに決まるまでの展開が長くて、なかなか話が進まないように思えた。でも、後でよく考えると無駄なシーンはなかった気がする。物語のベースとなる部分を丁寧に描いてたのかな。

ただ、退屈になるかならないかギリギリのテンポだったので、人によってはつまらなく感じたかも。「すいか」のときは、このゆるさ加減がいい味出してたと思うんだけど、やっぱり好き嫌いが別れるドラマになりそうな気がする。

  • 亀梨和也は、「ごくせん」よりずっといい。顔つきも髪型もそれほど変わっていないのに、なんでだろう。「本心を隠して人気者を演じている」ような要領のいい修二なので、その台詞が頭良さそうに見えるせいかもしれないし、演出が良いのかもしれない。
  • 修二は繕い物が得意っていうのがツボだ。あと、お父さん(宇梶剛士)や弟との絡みも家庭的でおもしろかった。
  • 彰(山下智久)はやりにくそうな役だなあ。今どき「だっちゃ」とか「○○ナリ」なんて言う高校生いるか?階段降りるとき常に手をひらひらさせてるし、信子より彰のほうがよっぽどヤバイ感じがするよ。でも、この雰囲気何かに似てると思ってたら、それは窪塚洋介だと指摘しているブログを発見!なるほど~確かにそうかも。
  • 堀北真希の信子はビジュアル的にヤバイって。柳の陰から出てきたとき、貞子かと思った!口の端を無理やり上げたような不気味な笑い方が上手い。このいじめられっ子が修二のプロデュースによってどう変わっていくのか見ものだわ。
  • 都電荒川線や川(荒川か?)や運河をバックに自転車を走らせるシーンの景色が良い。それ以外にも、彰が下宿する豆腐屋さんの物干し台とそこから見える高層ビル群や、下町の町並みとか、学校の屋上から見える空の色とか、風景の見せ方が上手いと思う。
  • 木村祐一が出てるだけでもおもしろいのに、あだ名がセバスチャンだよ!笑った。しかも公式サイトのキャストのとこにも「セバスチャン」としか書いてないのね。というわけで、この先生の本名が何かなんて知らなくてもいいってことなんだろう。
  • 岡田義徳の、テキトーそうな先生ぶりもツボだった。
  • 猿の手!気持ち悪い~。
  • ゴーヨク堂のポリシーがステキ。「美男美女以外立ち読み禁止」とか「ケバイ女入店禁止」とか。果敢に立ち読みチャレンジするセバスチャンがまたいい。いじめっ子なのに、ゴーヨク堂店主(清志郎)には毎回投げ飛ばされてしまうバンドーもウケる。
  • そしてそのゴーヨク堂での噂が、お笑いコンビのネタとして披露されるという設定がおもしろい。
  • そういえば修二のお母さん(深浦加奈子)もノブコなのね。
  • 「みんなが美人だって言えば美人になるし、みんながほしいって思えば値段も上がる」「大していい歌じゃないのにヒットさせたり、普通の女の子をアイドルにしてみたり、まずいラーメン屋さんに行列を作ったり」世の中の仕掛け人“プロデューサー”の存在や、そういう社会の仕組みを知っている修二の台詞には、改めてなるほどと思ってしまった。そしてその台詞を現役アイドルに言わせてしまうのがまたおもしろい。

青春を謳歌する=誰もやったことのないことをするために「野ブタ。をプロデュース」することにした修二と彰。そして自分を変えるためにプロデュースされることにした信子。

原作はどうか知らないけど、ドラマは「青春」をキーワードに展開するらしい。いやまあ、学校を舞台にした高校生の話なので当然なんだけど、学園モノとはちょっと違う、村上龍の「69」的なノリ(しかも今風のまったりした)を感じた。次回はどうなるんでしょ。