UDON

「Invitation」9月号に載っていた「UDON」特集を読んだら観たくなってしまったので行ってきた。

いかにもフジテレビっぽい、というか本広克行っぽい演出だった。いろんな人がちょい役で登場したり、フジテレビ社員も出てきたり、もう総動員。「とくダネ!」のオープニングトークまで出てきたのには笑った。あれわざわざ撮ったんだよなあ。あと、画面が3分割4分割で同時進行していくところは「24」みたい。でもああいう画面割りは「24」登場以前に「踊る大走査線」SPでやってたか。

本広さん自身も「Invitation」のインタビューで「バラエティ番組っぽい」と言っているように、とてもテレビ的な作りだったと思う。なので映画としてはどうなんだろうという感じではあったけど、まあその辺の評価は映画に詳しい人に任せるとして、とにかくうどんがおいしそうだったことに尽きる。映画館へ行く直前に夕飯を食べて、おなかっぱいの状態で観たにも関わらず、観終わったら「うどん食べたい!」と思ってしまった。

醤油をちょっと垂らすとかレモンを入れるとか、裏の畑から自分でネギをとってきて刻むとか、箸とおわん持参じゃないと食べられない店とか、袋に麺だけ入れて手で食べる人たちとか、それはもうありとあらゆるうどんの形態が登場して面白かった。本当に香川ってうどんの国なのねえ。

うどんの作り方も興味深い。粉から作るところなんて見たたことなかったから、面白かった。足で踏んでこねるとはねえ。あと、ダシはにぼしで取るんですね!鍋に大量に入れるにぼしに驚いた。デカイ鍋の中で、デカイにぼしの顔がぷかーと浮かぶ場面が妙にツボだった。

しかし予告編などの事前情報から受けた印象とは違って、意外にも爆笑映画ではなかった。むしろお笑い部分は正直いって微妙。最初のほうは特にね。それより後半の、しんみりとした真面目なシーンのほうがずっと良かったかも。夢破れて帰郷したユースケが実家のうどん屋を継ぐ、という単純なオチじゃないところも良かった。

以下はネタバレですので、ご注意を。

  • 冒頭に出てきた「香川県がいかにうどんの国か」という解説が面白かった。アニメーションが格好良かった。文字が英語になっていたのは、やはり映画の世界市場を意識してのことでしょうか。
  • 最初の方は微妙な笑いが続く中、大泉洋の登場で流れが変わった、ような気がする。キター!と思ったら本当にちょい役。出オチかよ!
  • 香川出身といったらやっぱりナンちゃんでしょ!ってことでしっかり登場して笑った。しかも登場の仕方がナイス。
  • 大学で講義してた先生は「下北サンデーズ」の座長。1回目登場したときは顔がよく見えなくて分からなかったけど、2回目に出てきたときは、画面が何分割にもなって小さくなっていったにも関わらず、はっきり分かったぞ。
  • タウン誌編集部のキャスティングも良かった。升毅に、要潤に、ラーメンズ片桐仁!うわ何これ、素敵すぎる。要潤の着てた、虎の刺繍(?)が入ってるジャンバーが気になって仕方ない。ダサいんだか格好いいんだか。
  • 「生醤油で食べるのがうまいんだよ」と知ったかぶって醤油どばどばかけてる男は小泉孝太郎。腎臓壊すよ、本当にあんなの食べたら。どうせだったら、あの店に居合わせるのは要潤にしてほしかったよ。そしたら白石美帆もいないと!(東京ワンダーツアーズね)
  • うどんヒーロー「キャプテンUDON」が活躍するシーンに、寺島進アリキリ石井も登場。CGが無駄に格好いい。しかし長かったよ、このシーン。
  • トータス松本ってよく考えたら演技してるの初めて見たな。けど、上手いじゃない。なんか普通にその場になじんでた気がする。
  • 冒頭のニューヨークでのシーン。ユースケのギャグがすべってたのは素なんじゃないかと思ってしまうほどリアル。他にも、それ芝居してないだろ、っていうシーンがいくつかあって、そういうときはもろ「ユースケ」だったような。でも幼い頃のことを思い出して泣いている場面はなかなか良くて、ちゃんと「香助」になってた。案外きちんと芝居してるほうがいいんじゃないか?と思った。しかしなんだかんだ言って私は結構ユースケ好きかも。
  • 小西真奈美はやっぱりかわいいな~。初登場時は太い黒縁メガネをしていたのに、いつのまにか細いフレームのメガネに変わってて、最後のほうはメガネしてなかった!あれは、ユースケ演じる香助に惹かれていくにつれ、見た目も変わっていったということなんだろうか?パンフレットの裏表紙にもなっている、劇中に出てきたタウン誌表紙の写真を撮る場面がかわいかった。