野ブタ。をプロデュース 第7話

※2005年に別のブログで書いたものを再掲しています。

うわあ、なんか見るの辛くなってきたよー。今までで一番切ない回だったなあ。

前半は先生たちの宝くじ騒動や彰の「結婚したい」発言、修二父の“ダダこね”なんかがあって笑えたけど、後半は辛かった。もちろんおもしろくないわけじゃなくて、むしろ逆。

修二の撮った映像を通して修二自身にひかれていく信子と、それを見て嫉妬してしまう彰。嘘をつき続けることが苦しくなってきた修二。ついに修二の本心を知ってしまったまり子。せっかく編集したビデオを壊されてしまった信子。信子を諦めるために放送室で歌う彰。そして、人に嫌われることを恐れる修二。

どれも切なくて痛くて、見ていて辛かった。そしてここに至るまでのあれやこれやがあったからこそ、そう思えたのだろうし、思い返すと一見無関係そうなエピソードもやはり無駄ではなくて、見事な展開だなと思った。

とはいえ、彰が初恋を諦めてしまうのが意外と早くてやや強引な気がした。でも、このへんで彰に気持ちを切り替えてもらわないと話が先に進まないんだろうな。ここから先はきっと、人に嫌われることを恐れる修二と、その気持ちがよく分かる信子に焦点が絞られていくのだろうから。「次にいかないと、ね」なわけだ。

ところで私も実は高校時代放送部だったんですが、信子たちが学校でビデオ撮影するシーンとか、編集したビデオを放送室で皆で見るシーンとか、とても懐かしくてグッとくるものがあった。今どきVHSテープなんて使うか?とツッコミながらも、VHSテープであることがかえってツボだった。まさしくアレは(私の)青春ですよ。何これ、青春再放送?(byハチクロ。意味違うけど)

しかしテープを切って破壊するのとか、切れたテープをつなげて修復するのとか、確かにデジタルでは成立しない話ではあったな。

  • 「コンコン」やってる修二を見て意味もなく嬉しかった。無意識のうちに影響受けてる?彰の妄想で信子も「コンコン」やってて笑った。
  • 「でも一番したいのはー・・・言っちゃっていいのかな。結婚。はずかしー!」・・・もう爆笑!引きつった修二の顔も最高!
  • プロデュースをやめると聞いて寂しがる信子。見てるこっちも寂しいよ!CMあけ、今までのことを回想しながら流れる「もう3人で何かすることってないんだ」という修二のモノローグがまたいっそう寂しさを増します。
  • 「カラオケって、こんなにつまんなかったっけ」それはきっと、無理して付き合ってるから楽しくないんじゃないかな。
  • 「一番凄いダダをこねた人が勝ち」って、修二のお父さんは相変わらずおもしろいな。そして「ほんとは会社に行きたくないんだよー!部長なんか大嫌いだー!」とダダをこねてみせるお父さんに爆笑。子供たち思いっきりひいてますよ!
  • 「嘘をつくのは苦しいよ」とこっそりジダバタしてみる修二、切ないねえ。
  • 信子のビデオレポートにクラスは大喝采。プロデュースしなくても、これで自然と人気者になっちゃうのかな?バンドーも「あいつちゃんとしゃべれるの?」と言いつつおもしろがってたし。
  • 「す・・・水族館楽しかったね」「す・・・スージー」とか言っちゃってる彰が可笑しくって。そこへ修二が来て動揺したり、早く帰らせようとしたりするのも、なんていうかたまらん。
  • デルフィーユ、今回も意味なく出てきたかと思ったら、重要キーワード「諦める」を発言するとは!
  • 横山先生の揚げ物!おいしそう。形もカワイイし。そこに込められた意味は悪趣味だが。
  • 付き合ってるかどうか人に言えないなんて変だというまり子。さすがに修二の態度は変だと気がついてたのね。
  • 豆腐屋さんでのビデオ視聴会。「ズボン上げてるから横山じゃん」に笑った。そうそう、そういう特徴のある先生っているよねー。
  • 彰って今まですごく格好良く描かれていたけど、今回は信子がおもしろいと言う修二の映像を「全然おもしろくない」と否定しまくったり、信子が修二の映像ばかりを編集するのをつまらなそうに見ていたり、挙げ句そのテープを捨てようとして信子に殴られてしまったり、とても格好悪かった。だけどそれはとても人間的でもあり、やっぱり人にはいろいろな面があるんだなと思えておもしろかった。
  • 実は私も最初は修二の撮った映像がどうおもしろいのかよく分からなかったんだけど、信子の台詞を聞いて納得した。 「これ、人しか映ってないの、知ってた?好きなものって人なんだよ。おもしろいよね。冷たそうに見えるのに、人が好きなんて。きっと、周りの人をものすごく大事にする人なんだね。そのために、嘘ついたり、すっごい我慢してるのが、これ見てるとよく分かる」あぁよく見てるなっていうか。信子って修二のことをよく理解してるんだなと。
  • ってことを、きっと彰も思っちゃったんだろうな。でもビデオ捨てたら、やっぱりダメだよ!気持ちは分かるけど。
  • 「俺さ、好きな人ができたら、その人とずっと笑って暮らせるって思ってたのね。でも、ほんとに暮らしたら、こんな風に泣かしちゃう日もあるんだろうな、きっと。泣かしたくないのにー。泣かしちゃうんだろうな。俺は」という彰の言葉を聞きながら徐々に顔を上げていく信子の表情が!目の動きが!たぶん彰の気持ちに気がついたよね、きっと。でも、だからってどうしようもないよねえ。
  • そして彰は、想像と現実は違うってことを知ったわけだ。グーで殴られたことよりも、心のほうが痛いなんてことがあるってことも。切ないねえ。
  • 放送室に置いてある信子のビデオをわざわざ選んで壊すなんて、もう犯人はカスミしか考えられないじゃん!放送部に信子を誘ったのも彼女だし、制服の着方とかも同じだし。つうか、編集したビデオのコピーは取っとかないとダメだよー。←経験上
  • 壊されたテープを抱えて屋上で泣いてる信子。今まであまり感情を見せたことがなかった信子の泣き顔はすごく新鮮で、むしろかわいかった。「笑う」よりも「泣く」のほうがより人間的な感情だ(と思う)からかな。
  • 「俺、野ブタのこと好きになる資格、ないのだ」「好きになる資格?人を好きになるのに資格とか別にいらなくね?」「いるのよー。女の子泣かしちゃ、絶対だめなの。今の俺じゃ、だめなんだ」オイオイ、なんでそんなに達観してんだ?急いで諦めることないのに!もうちょっと粘れよ、彰ー。今はだめでも、もっと努力するとかいう方向にしてもらいたかったよ。でも、「俺、3人でいるときの野ブタが一番好き。大好き」って分かってるんじゃあ、仕方ないのかもね。ん?ということは、またプロデュース復活するんでしょうか?
  • 今回一番好きなシーンは、休日の学校で彰が信子への思いの丈を放送するところ。「野ブタの読んでいる本が好きだ。野ブタの歩いている道が好きだ。野ブタがいる屋上が好きだ。野ブタのいるところは、全部好きだ。大好きだ」という詩のような台詞と、彰が話すごとに映る学校の風景が、すごく良かった。
  • 「そんなのぶたのために歌います」って加山雄三の歌かよ!なんで?笑えるけど、泣ける~。
  • そしてもう1つの重要な決別のシーン。「俺さ、今まで、人を好きになったことがなくて。だから、まり子のこと、好きだ。って思ったことがないんだ。だけど、周りのやつらには、恋人がいるんだーっていう風に思われたくて。だから、まり子と一緒に弁当食べたりして」「それは、これからもそうなの?これから先、あたしを好きになってくれる可能性は?」「・・・ない」
  • ヒドイやつだ、修二は。だけどこのまま偽り続けるほうがもっとヒドイので、いつかは本当のことを告げるべきではあったんだけど。あんなこと言われたら、ショックだよな~。まり子がかわいそうだった。このとき、戸田恵梨香がカワイイ顔をゆがめて泣くのね、あれが上手いなあと思った。
  • 「人に嫌われるのって、怖いよな」と落ち込む修二に思わず抱きつく信子。「キャー!」と思うシーンなんだろうけど、ちっとも萌えませんでした。ただ、別人のようにしょんぼりしてる様子に、亀梨って上手いなあと思った。
  • 修復したビデオに映る信子の映像を消す彰。これで彼の恋は終了ってことかあ。モノクロ映像がちょっと貞子みたいで笑ってしまったけど。そういや1話の信子って貞子みたいだったなあ、なんてことを思い出したりして。
  • 野ブタに抱きしめられて、初めて分かった」なんて言うから何を?とドキドキしたのですが、「俺は、寂しい人間だ」そうか、そうくるか。なんだー。

とうとう仮面がはがれて、いや、自ら仮面を外し始めた修二。次回予告を見ると、今まで築いてきた修二の立場が崩壊していくような予感。

でも思いがけず“彰萌え”になったおかげで、今後修二がひどい目にあう(原作通りの)展開になったとしても、それほど衝撃を受けずに済みそうだ。もし修二に感情移入しちゃってたらもっと辛かっただろうな。ありがとう彰!

あと、次回は謎の女子の正体も明らかになるのかな?もし本当にカスミだったとしたら、初めて信子にできた友達がそんな人だなんて、えらく残酷なことになるなあ。だけど信子はそれも受け入れて、許すんじゃないかなという気がする。そこから本当の友情が始まったりして。そして孤立する修二のことも、救ってあげたりして。今の信子ならそれができそう。そういう展開だといいな、という希望ですが。