タイガー&ドラゴン「厩火事」

意外。そう来たか!と、何もかも新鮮に感じた回だった。今まで笑わせるだけで突っ走ってきたけど、ここで泣かせる話をもってきて一度リセットしたように思えた。

でも、この連ドラ全体の流れの中では意外な方向になっていたけど、ストーリーは直球も直球、めちゃくちゃベタな「いい話」だし、「厩火事」そのまんまだった。それでもつまらなくならないのは、演出や脚本が巧みなことや、古田新太清水ミチコの上手さのおかげだろうな。うーん、さすが。

  • 今回の「まくら」はメグミか!登場のとき流れていた音楽(出囃子)は「魔女っ子メグちゃん」だよ、芸が細かいな〜。寄席の客はカメラおやじばかりでウケました。しかも今回は寄席を飛び出して外でのガイド。これは新しい!
  • で、そのメグミのガイドで楽屋裏の様子が描かれ、そこから普通にドラマが始まる。これまた新しい!
  • メグミにガイドされてるおじさんたち、きっとエキストラだよねえ。素で写真撮ってそうだな。
  • 師匠、携帯買ったのか?小百合ちゃんにメールって、小百合ちゃんも携帯持ってるのか?と思ったら案の定・・・
  • 5万か10万かはっきりせい。って確かに。
  • 寄席の出演者を見て驚く虎児。いつもの「ぶっほぉ」じゃなくて「んー?」だ。これも新しい〜。
  • “浪速のドリカム”まりも・まるお登場時の出囃子がドリカムの「Eye's to me」だったことに感心。
  • まりも・まるお(清水ミチコ古田新太)の漫才、ふつうにおもしろいよ。どつき漫才、激しいな。
  • 虎児は漫才も知らなかったのか!
  • 竜二ったら、こんなところ(でも青山)に住んでるの〜?しかもチビTと同居!と思ったら中国人リュウさんまで同居!狭すぎるでしょ!いくら小さいからって、そのドラえもん生活はいかがなものかと。これで家賃6万5千円は高くないか?いくら青山でも。 と、ツッコミどころ満載な竜二の私生活が判明して爆笑。
  • 「複雑なカレーのにおい」って、ナイス表現だなあ。よく見たら、ドアを開けたアパートの住人みんな外国人みたいね。
  • オカジュン、見事な開脚回転!さすがジャニーズ。
  • 即身仏みたいになってしまった竜二。ぶははは、本当だ。しかし虎児って、なんで「即身仏」なんて言葉知ってるの?
  • まるおの身の上話は、虎児がどん兵衛師匠に身の上話をしたシーンの再現じゃん!しかし両親が死んでからの経緯は間逆。それを「関東と関西の文化の違い」とオチつけたのはうまい!まったく、そうかもしれないと妙に説得力を感じたぞ。
  • また日向さんからのメールかと思ったら、師匠かよ!ギャル文字じゃなくて、ちゃんと漢字変換できなかっただけなのね。
  • 今回「お、厩火事だな」と演目を言い当てる役はおでん屋さん。ここもさりげなく新パターンだな。
  • 劇中劇が孔子の話だよ!古代中国だよ!ここでそうくるか!「孔子のいえ」とか、弟子や孔子(古田)の言葉遣いがヘンな中国語訛りなのとか、ウケすぎて死ぬかと思った。
  • 「瀬戸物を壊しやしないか、鉢を壊しやしないか」と36回連発するサダヲ!
  • 今回の劇中劇は、仲人の大家さんがお崎さんに語って聞かせる「孔子の馬の話」と「さる若旦那の話」だけなのね。こういうのもおもしろいなあ。
  • あーあ、竜二のせいでまるおが酒を飲んでしまった。
  • 「土下座の5秒後に逆ギレ」 今日は5秒にこだわるどん太だね。最初のほうで「デリヘル呼ぶ5秒前」とか言ってたし。
  • 「まりちゃん泣いてるじゃないの」 これまた新しい〜。小百合ちゃんは「泣くぞ」と脅してるし。
  • 「自分の女房ともかみ合わない男が、よその奥さんと漫才なんかできるわけないっしょ」「どーん・・・」そうなのか、かみ合ってなかったのか、この夫婦は。
  • 警察へ行くと言うどん兵衛夫妻。息子のために心を痛める親という感じがよく出ていて、なんだか哀れだった。
  • そして釈放された竜二とどん兵衛の会話。素直になれない親子がもどかしいというか何というか。いつもの喜劇的な親子喧嘩もいいけど、こういうシリアスなシーンもいいね。
  • 竜二の衣装が珍しく褒められてる〜。でも竜二的には製作途中という皮肉が笑える。金のライオンはいらないと思うぞ。ちょっと見てみたかったけど。
  • 厩火事」そのままに、まりもが癌だと騙されたまるお。舞台のシーンが泣けました。
  • って、まさか本当に癌だったなんて。寄席でお客さんに挨拶するまりもの笑顔がそのまま遺影になったときはビックリしてしまった。
  • まるおが普通に合掌するのかと思ったら「堪忍にん」って!笑っていいんだか泣いていいんだか。
  • 「よしこ」での借金返済シーンも、今回はいつもと違っていた。お客さんは誰もいなくてママしかいなかったし、師匠は泣いてるし。しんみりとオムライス食べる2人がいいね。「うるせえ!黙って食えコノヤロー」という突っ込みはあったけど。

笑わせるだけでなく泣かせることも喜劇には必要なんだなということを思い出した今回。来週は元に戻ってまたハイテンションな笑いになりそうな予感。「明烏」だそうですが、「落語百選 春」に収録されてます。