カーネーション

最終回が終わって、もう1週間。ちょっと時間が経ってしまったけど、やっぱり書いておこう。今まで見た朝ドラの中で、間違いなく一番の傑作でした。「ちりとてちん」も「ゲゲゲの女房」も面白かったけれど、目じゃないぜ!

第1話からほぼ全話、毎日録画して楽しんだ半年間だった。見逃したのは糸子の子供時代の2話〜6話くらいかな。糸子の人生の大半を演じたオノマチさんはもちろん、他の役者陣も、脚本も演出もすべてが本当に素晴らしかった。渡辺あやさんは、これが連ドラ初脚本だそうだけど、またとんでもない才能の人が出てきたものだわ。次回作が楽しみ。Twitterでドラマクラスタの人たちと感想を共有したり、周防さん祭をリアルタイムで目撃できたのも面白かったなー。

あと何より、糸ちゃんが作る洋服が素敵で、見ていてワクワクした。百貨店の制服や、そのあと芸者さんに作ったピンクのワンピースは私も着てみたい!と思ったし、戦中に金糸を黒糸で隠したアイディアもんの服も、戦後の闇市で見つけた布地で作った水玉のワンピースも、周防さんに恋した時に次々作った服たちも、70代になってブランド立ち上げ時に作った着物地のワンピースも、すごく印象に残っている。最初に、お父ちゃんに作った浴衣のアッパッパも、良かったなあ。

糸子の晩年になって主役が交代したとき明らかに流れが変わったのを感じて、さすがにどうなることかと思ったけど、話が進み、また糸子が走り出して、ああこういうクールダウンみたいなことも必要だったんだな、こういうふうにつなげたかったんだなと分かり、また引きこまれていった。そしてあのラスト。糸子が亡くなって朝ドラ化の話がきた時点で、第1話の冒頭が出てくることは予想できてたけど、奈津と思われるおばあさんがその放送をテレビで見ているとは予想もしなかったので、その流れで「二人の糸子の歌」が流れるのを見たら泣けて仕方なかった。

さて、まさかこんなふうに「カーネーション」と「リインカーネーション」をかけたオチがくるとは知るはずもなく、最終回を迎えたら第1話を見ようと思って録画を消さずに取っておいたので、見てみた。最終回からさかのぼって80年前のだんじり祭の日。懐かしい大正時代の商店街の様子や、子供時代の糸子(あかりちゃん)が話す姿を見たら、また不思議な気持ちになってこれまた涙が出てしまった。はー、これはやっぱりDVD買おうかなあ。