「薔薇の名前」から始まる中世ゴシック様式ブーム、そしてドラマ「大聖堂」
新年早々、突如、なぜか、中世ゴシック様式がマイブームに。
先日、会社の後輩くんが書いていた「薔薇の名前」の映画レビューを読んだら面白そうだったので、そうツイートしたところDVDを貸してもらえることになり、さっそく観たら、学生時代にちょっとだけ勉強した西欧中世のゴシック様式(建築)への興味がまたムクムクとわいてきた。そもそも「薔薇の名前」を観たかったのも、舞台が中世の修道院ということで、ゴシック様式の建物が見られるんじゃないか?と思ったから。
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映画のストーリー自体とても面白かったけど、修道院の陰鬱とした雰囲気がなかなか良かった。DVDの特典として付いていた監督のコメンタリーによると、修道院の建物(外観)や室内のセット、小道具、書物など、あらゆるものを作ったそうだ。写本などは専門の修道士が1ページ半年もかけてレプリカを作ったとかなんとか。そして映画用に作ったそれらの本は現在(コメンタリー収録時)ヨーロッパの図書館に置かれているそうだ。壺とかも当時の製法で作っているそうだ。このへんのこだわりようはスゴイ。
聖母マリア像は、中世より後のルネッサンス期の特徴を持つものが出来上がってきたため、ダメ出しをしたらスタッフに怒られ「そんなの気にするのは監督くらいだ」と言われたため、そのまま使ったところ、映画を観た人から「時代が違う」というツッコミを受けた、というエピソードが可笑しかった。やっぱり分かる人には分かるのね、っていうか、こういう映画を観る人は歴史オタクが多いんだろうなー。
あと、映画を観て西欧中世史を勉強したという人も結構いるとかで、メールなどが送られてくるそうだ。映画での描写との比較を論文にした人とかも。そういう反応って作り手としては嬉しいだろうな!当時の書物は羊皮を使っているため、垂直に置くと皮がよれてしまうから、図書館では水平に置かれていたという話も面白い。そういえば聞いたことがあるような気もするけど、改めて聞くと「へええ!」と思った。
監督コメンタリーはまだ全部見きれていないんだけど、こんな風に興味深い話でいっぱいだった。
しかし。ゴシック様式の教会建築って、それ以前のロマネスク様式に比べたら天井が高くて窓が大きくてステンドグラスも大きくて、明るいんじゃなかったっけ?映画を見ていると、あまりそういう印象を持たなかった。まあ、電気がない時代の暗さを忠実に再現するために、撮影用の照明は使わずに役者が持つカンテラを工夫して使うなど、かなり苦労して撮影したらしいので、暗い印象しかないのかもしれないけど。
こう思ったところから、もっとゴシック様式のことを知りたくなって、本などを調べ始めてしまった。ゴシック建築というと、大聖堂の解説本が多いらしい。で、さっそく図書館に行って見つけてきたのがこの本。
- 作者: デビッド・マコーレイ,David Macaulay,飯田喜四郎
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結構読み応えがある。いちおう絵本なので、図書館では児童書コーナーに置かれてましたが、これは決して子供向けじゃないと思う。
そしてネットで関連本をたどっていくと、ほかにも面白そうな本がいっぱいです!
- 作者: 佐藤達生,木俣元一
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- 作者: 酒井健
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大聖堂ものがたり:聖なる建築物をつくった人々 (「知の再発見」双書)
- 作者: アランエルランド=ブランダンブルグ,池上俊一,Alain Erlande‐Brandenburg,山田美明
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もーおなかいっぱい。しかし、さらにTwitter経由で「大聖堂」という海外ドラマが2月からBShiで放送されるという情報までいただいてしまった。監督はリドリー・スコット!ええ!そういえば、ケン・フォレットの原作本も、関連本をたどるうちに見かけたなあ。
しかし大聖堂モノのドラマにまで当たるとはなんというタイミング。どれだけ本を読んだとしても、やっぱり最後はテレビドラマに戻っていくというオチなのか!