Woman、良いドラマだった

「Woman」が最終回を迎えた。「あまちゃん」も「半沢直樹」も面白いし傑作だけど、今期一番の名作は「Woman」だな。爆笑したり、ハラハラしたりする面白さも良いけど、こういう、魂をえぐられるようなドラマもまた良い。でも絶対万人受けしないので、人に勧めにくいのが残念だ。

最終回は、信さんが言ったであろう言葉で会話する小春と栞、に早くも涙腺崩壊。栞が選びさえすれば、きっと叶ったであろう夢なのに。そうはなっていないという現実が重い。でも栞がちゃんと小春に向き合ったのは偉かった。

紗千と小春が徐々に和解していって、子供とナマケモノさんが寝静まった夜にワインを飲みながら会話するシーンも泣けた。「あまちゃん」の夏と春子の四半世紀かかった和解エピソードも落涙モノだったけど、こちらの2人もまた20数年の確執を乗り越えて母娘に戻れたんだなあ。栞も加えた家族に戻るまでは、まだ長い道のりがあるのだろうけど。

しかし坂元裕二さんは本当に外れなしだな。「最高の離婚」は傑作だったし、同じ年にこれだけ振り幅のある2作品を書いている(離婚のほうは執筆は昨年か)のがスゴイわ。

あと「Woman」は、お話だけでなく、小春の病名を告げるシーンで絵本を朗読する演出とか、最終回での絵日記を使った描写とか、演出も優れたドラマだった。植杉家とか、引っ越し前の小春の家とか、家の中にちゃんと生活してる感があるのもすごく良かった。ここらへん、同じ坂元脚本の「それでも、生きてゆく」でも、素麺とか冷凍みかんの描写に感じたことではあるけど。

「まどいせん」が「円居せん」と書くことを、恥ずかしながら知らなかったのだけど、その言葉の意味を知って、だからBGMで「遠き山に日が落ちて」が流れるのか、と大変納得した。円居せん、これがこのドラマのテーマだったんだ。